以前長崎新聞で取り上げて頂いた記事です。

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寄り添い「らしさ」支援

理事長回答

 

抗がん剤の副作用で髪が抜け落ちるショックは、特に女性患者にとって大きい。医療用のかつらを使って元の髪型に再現し「自分らしさ」を取り戻す支援をする県内で唯一の「再現美容師」。地元佐世保に5月開店した美容室「aura」代表を務める。
かつらを求める客には、他の予約を入れず一対一で対応。じっくり話すことから始める。仕事や暮らしぶり、人柄をつかみ、客の要望を取り入れてスタイルを提案。鏡越しに会話をしながら、約2時間かけてカットとスタイリングを施す。人毛と人工毛を手植えしたかつらは、ミディアムとロングの2種類で、軽いパーマで変化をつける。
美容専門学校を出て東京で働いたころ、がんを患う美容師が2004年設立したNPO法人日本ヘアエピテーゼ協会(東京)を知った。「女性の自分らしさのために」という方針に感銘し09年、再現美容師となった。東京で40人以上に携わり、佐世保でこれまでに3人の注文があった。
「あなたに何がわかる」—。東京時代、脱毛の不安を受け止めきれない客から、そんな言葉を浴びたこともある。自分にできることは、持っている知識や技術を説明し、思いを懸命に伝えることだった。治療がはじまり、自宅で抜けた大量の毛束を目にした客は、覚悟を決めて再訪。身の上話や死生観などをぽつぽつと話してくれた。心が開いた瞬間だった。
「外出意欲が出た」と家族らから感謝されたりするとうれしい。一方で、客から足が遠のいた客もいる。完治したのか、亡くなったのか、知ることはほぼない。「限られた期間のお付き合いだが、満足してもらえることを願っている」
病状や薬の種類は多く、今後も勉強を続ける。「完全に自分の身に置き換えられないが、少しでもお客の気持ちに寄り添えるように」。店外の人通りを眺めながら、言い聞かせるようにつぶやいた。

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